研究開発情報|九州大学病院内視鏡外科手術トレーニングセンター

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九州大学病院内視鏡外科手術トレーニングセンター|九州大学病院|内視鏡




研究開発情報

現在進められている研究・開発・トレーニングシステムについてのご紹介です。

整形外科領域


私たち整形外科では、関節疾患や脊椎疾患、スポーツ外傷など、運動器疾患の患者さんに対して、高度な専門知識と技術に基づく質の高い診療を行うことを目標にしています。このページでは、私たちが行っている基礎および臨床研究の中から、先端医療医学講座の先生方にご協力をいただきながら行っている先端医工学分野の研究について紹介します。
(文責: 九州大学整形外科)


□ 関節鏡・内視鏡手術トレーニングシステムの研究開発のご紹介
□ Open MRI を用いた膝関節鏡のJoint motion studyのご紹介
□ 先端医工学分野に関する整形外科関連研究業績(原著論文・学会発表)
□ 九州大学整形外科学HPへ


先端医療医学


□ 西日本新聞に最先端の医療ロボット開発に関する記事が掲載されました(2009年4月23日朝刊TOP)


関節鏡・内視鏡手術トレーニングシステムの研究開発

整形外科領域


関節鏡手術や脊椎内視鏡手術は、病変の診断や治療に有用で、しかも患者さんへの侵襲(ダメージ)が少なく、近年では数多くの疾患に適用が広がっています。その技術には2次元のモニタ画面を見ながら、3次元の体内空間で内視鏡や手術器具を巧みに操作するサイコモータスキルという特有の能力が必要とされます。

九州大学整形外科では、内視鏡外科手術トレーニングセンターにて、毎年整形外科医師を対象とした膝関節鏡手術のトレーニングセミナーと鏡視下椎間板ヘルニア摘出術セミナーをそれぞれ開催しています。
また、ボックストレーニングや実体型関節モデル、ヴァーチャル・リアリティ・シミュレータを用いた総合的な関節鏡手術トレーニングシステムの研究開発に取り組んでいます。

ボックストレーニングには、関節鏡基本技能養成のための約10種類の課題があり、スコアや時間、エラー回数などを自動的に算出し、リアルタイムに表示可能です(日本関節鏡学会, 2007)。
ヴァーチャル・リアリティ・シミュレータのArthrosim Diagnostic Knee Arthroscopy Simulator(DKASTM, ToL Tech社)では、現実にきわめて近い膝関節の空間が再現されており、術者が仮想の関節鏡手術を体感することが可能です。さらに、力覚フィードバック機能といって、仮想組織の硬さや柔らかさ、手術器具と組織との接触などをあたかも現実の手術のような感覚で感じることができる高度の機能が備わっています。
(取扱先:日本バイナリー株式会社http://www.nihonbinary.co.jp/

また、トレーニングによる習熟度を客観的に評価できるように定量的な技能評価システムを開発し、磁気式3次元位置センサAurora®(Northern Digital Inc.)を用いて仮想手術操作中の関節鏡や手術鉗子先端の軌跡を解析したり、力センサを用いて操作による関節組織へのダメージの程度を評価したりするシステムを構築しています(田代,三浦らClin Orthop Relat Res, 2008)。今後もこのような取り組みを通して、関節鏡・内視鏡手術のトレーニングの内容や機会を拡充していく予定です。
(Aurora®取扱先:アドバンストシステムズ株式会社http://www.asco.jp/


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レクチャー

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移植腱作成

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前十字靱帯再建

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ボックストレーニング

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ヴァーチャル・リアリティ
・シミュレータ DKASTM

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位置・力の各センサを用いた技能
・習熟度評価システム


Open MRI を用いた膝関節のJoint motion study

前十字靭帯の回旋不安定性に関する研究など


膝の前十字靭帯は、日常生活をはじめ、スポーツ活動での膝の安定性に重要な役割を果たしており、主に膝の前後方向の安定性を制動する因子として認識されてきましたが、近年では回旋の安定性にも深く関連していることが注目されるようになってきました。
膝の回旋不安定性は従来、徒手的なテストによる評価が中心で、定量的な評価が困難でしたが、当整形外科の岡崎助教は、Open MRI特有の、撮影中の患者さんへのアプローチの利便性を活かして回旋不安定性を定量的に評価する手法を考案し、前十字靭帯不全膝の評価に応用しました(Am J Sports Med, 2007)。
また、同科の田代医師らとともに、前十字靭帯再建術後の膝の中には前後方向で良好な安定性を示す場合でも、回旋不安定性が残存するケースがあることを定量的に報告しました(Am J Sports Med, 2008)。
当科ではこの他にも、Open MRIとそれに付随する機能を活かして、膝関節の運動やストレスを伴う条件下での動態について研究を進めており、臨床の場に応用していくことを目指しています。


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ACL回旋不安定性の評価の様子

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Open MRI(APERTO,日立メディコ)
での撮影

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外側では脛骨の前方移動を認める

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内側では脛骨の前方移動を認めない


先端医工学分野に関する整形外科関連の研究業績

主な原著発表


1. Tashiro Y, Okazaki K, Miura H, Matsuda S, Yasunaga T, Hashizume M, Nakanishi Y, Iwamoto Y.  
  Quantitative Assessment of Rotatory Instability after an Anterior Cruciate Ligament Reconstruction. Am J Sports Med. 2008 (in press)

2. Tashiro Y, Miura H, Nakanishi Y, Okazaki K, Iwamoto Y.
 Evaluation of Skills in Arthroscopic Training Based on Trajectory and Force Data. Clin Orthop Relat Res. 2008 Sep 13. (in press)

3.田代泰隆,三浦裕正,中西義孝,岡崎賢,松田秀一,濱井敏,橋爪誠,岩本幸英.
 関節鏡手術トレーニングシステムにおける磁気式三次元位置計測装置を用いた客観的技能評価.
 日本臨床バイオメカ二クス学会誌, Vol.29, 247-252, 2008.

4. Yasunaga T, Konishi K, Yamaguchi S, Okazaki K, Hong JS, Ieiri S, Nakashima S, Tanoue K, Fukuyo T, Hahizume M.
  MR-compatible laparoscope with a distally mounted CCD for MR image-guided surgery,2:11-18,2007.10.

5. Tanoue K, Ieiri S, Konishi K, Yasunaga T, Okazaki K, Yamaguchi S, Yoshida D, Kakeji Y, Hashizume M.
  Effectiveness of endoscopic surgery training for medical students using a virtual reality simulator versus a box trainer:
  a randomized controlled trial. Surgical Endoscopy. 2007.08.

6. Okazaki K, Miura H, Matsuda S, Yasunaga T, Nakashima H, Konishi K, Iwamoto Y, Hashizume M.
  Assessment of anterolateral rotatory instability in the ACL-deficient knee using an open MRI system. Am J Sports Med.
  35:1091-7, 2007. 2007.07.

7. Yamaguchi S, Konishi K, Yasunaga T, Yoshida D, Kinjo N, Kobayashi K, Ieiri S, Okazaki K, Nakashima H, Tanoue K, Maehara Y, Hashizume M.
  Construct validity for eye-hand coordination skill on a virtual reality laparoscopic surgical simulator. Surgical Endoscopy. 2007.05.

8. Okazaki K, Miura S, Matsuda S, Hashizume M, Iwamoto Y.
  Arthroscopic resection of the discoid lateral meniscus: Long-term follow-up for 16 years. Arthroscopy. 22(9):967-971, 2006. 2006.09.

9. Okazaki K, Miura S, Matsuda S, Takeuchi N, Mawatari T, Hashizume M, Iwamoto Y.
  Asymmetry of mediolateral laxity of the normal knee. Journal of Orthopaedic Science. 11(3):264-266, 2006. 2006.03.

10. Tanoue K, Yasunaga T, Konishi K, Okazaki K, Ieiri S, Kawabe Y, Matsumoto K, Kakeji Y, Hashizume M.
  Effectiveness of training for endoscopic surgery using a simulator with virtual reality:
  Randomized study. International Congress Series,1281 515-20, 2005.

11. Tanoue K, Yasunaga T, Konishi K, Okazaki K, Ieiri S, Kawabe Y, Kakeji Y, Hashizume M.
  Is a simulator with virtual reality useful for training of endoscopic surgery?
  Journal of Japan Computer Aided Surgery. 7(2):175-178, 2005.


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主な学会発表


1. Fukagawa S, Matsuda S, Tashiro Y, Miura H, Okazaki K, Hashizume M, Iwamoto Y.
  Assessment of Posterior Stability of Normal Knees Using Open Magnetic Resonance Imaging System.
  The 55th Annual Meeting of the Orthopaedic Research Society, 2009.02.

2. 深川真吾、松田秀一、田代泰隆、三浦裕正、岡崎賢、橋爪誠、岩本幸英.
 オープンMRIを用いた正常膝における後方安定性の検討. 第82回日本整形外科学会学術総会, 2009.5.

3. 田代泰隆、三浦裕正、中西義孝、松田秀一、岡崎賢、諸岡孝明、橋爪誠、日垣秀彦、高嶋樹、岩本幸英.
 医工学技術を応用した関節鏡手術トレーニングボックスの研究開発. 第35回日本臨床バイオメカ二クス学会,2008.11.

4. 田代泰隆、岡崎賢、三浦裕正、中西義孝、松田秀一、諸岡孝明、深川真吾、橋爪誠、岩本幸英.
  ACL損傷に対する生体工学的手法を用いた回旋不安定性評価の取り組み. 第42回九大生体材料・力学研究会,2008.09.

5. 田代泰隆、岡崎賢、三浦裕正、松田秀一、濱井敏、中西義孝、安永武史、橋爪誠、岩本幸英.
  ACL再建膝における回旋不安定性のOpen MRIを用いた定量的評価. 第34回日本整形外科スポーツ医学会学術集会,2008.07.

6. 田代泰隆、三浦裕正、中西義孝、松田秀一、岡崎賢、濱井敏、橋爪誠、岩本幸英.
 関節鏡手術トレーニングシステムにおける客観的技能評価指標の検討 -位置センサおよび力覚センサを用いた定量的評価-
 第34回日本関節鏡学会学術集会,2008.06.

7. 岡崎賢、前田健、播广谷勝三、土井俊郎、松本嘉寛、橋爪誠、岩本幸英.
 脊椎内視鏡実技講習会の受講者の意識調査と半年後の実態調査. 第81回日本整形外科学会学術総会, 2008.05.

8. 田代泰隆、三浦裕正、中西義孝、岡崎賢、松田秀一、濱井敏、橋爪誠、岩本幸英.
 関節鏡手術トレーニングシステムにおける客観的技能評価指標の検討
 -力覚センサ&磁気式三次元位置計測装置を用いた定量的評価- 第81回日本整形外科学会学術総会, 2008.05.

9. 岡崎賢、中島康晴、馬渡太郎、福士純一、岩本幸英.
  MRIによる関節軟骨基質評価法の関節リウマチへの応用.
  第52回日本リウマチ学会総会・学術集会・第17回国際リウマチシンポジウム, 2008.04.

10. 田代泰隆、三浦裕正、中西義孝、松田秀一、岡崎賢、濱井敏、橋爪誠、岩本幸英.
  関節鏡手術トレーニングシステム開発の取り組み. 第34回九州膝関節研究会, 2008.03.

11. 岡崎賢, 三浦裕正, 松田秀一, 岩本幸英. 小関節鏡を用いた最小侵襲外来膝関節鏡検査.
  第114回西日本整形・災害外科学会, 2007.12.

12. 田代泰隆、三浦裕正、中西義孝、岡崎賢、松田秀一、濱井敏、橋爪誠、岩本幸英.
  関節鏡手術トレーニングシステムにおける客観的技能評価指標の検討
   -力覚センサ&磁気式三次元位置計測装置を用いた定量的評価- 第34回日本臨床バイオメカ二クス学会, 2007.12.

13. 田代泰隆、岡崎賢、三浦裕正、松田秀一、濱井敏、中西義孝、安永武史、橋爪誠、岩本幸英.
  ACL再建膝における前外側回旋不安定性の検討
 ‐Open MRIを用いた定量的評価‐第34回日本臨床バイオメカ二クス学会, 2007.12.

14. 田代泰隆、岡崎賢、三浦裕正、松田秀一、濱井敏、中西義孝、安永武史、橋爪誠、岩本幸英.
  ACL再建膝における前外側回旋不安定性の検討 ‐Open MRIを用いた定量的評価‐第13回Fukuoka Knee Society, 2007.11.

15. 岡崎賢. MRIによる膝関節軟骨基質評価の関節リウマチへの応用. 第2回Open MRI研究会, 2007.11.

16. 三浦裕正. 鏡視下前十字靭帯再建術,内視鏡手術講習会(膝関節鏡・ACLコース), 2007.12.

17. 三浦裕正. MIS QS total knee arthroplasty_patient selection and surgical technique, Zimmer QS MIS TKAセミナー, 2007.11.

18. 田代泰隆、三浦裕正、中西義孝、松田秀一、岡崎賢、岩本幸英.
  関節鏡手術トレーニングシステムにおける客観的技能評価指標の検討. 第22回日本整形外科学会基礎学術集会2007.10.

19. Tashiro Y, Nakanishi Y, Miura H, Takashima T, Higaki H, Okazaki K, Matsuda S, Hamai S, Hashizume M, Iwamoto Y.
   Training System of the Arthroscopic Surgery with Image Based Box Training.
   The 1st International Symposium on Information and Computer Elements ISICE 2007, 2007.09.

20. Nakanishi Y, Okamoto T, Takashima T, Tashiro Y, Higaki H, Miura H, Iwamoto Y, Sunagawa K.
   Dual-mode Lens for 3D Scenography and Endscopic or Robotic Surgery.
   The 1st International Symposium on Information and Computer Elements ISICE 2007, 2007.09.

21. 田代泰隆、三浦裕正、中西義孝、松田秀一、岡崎賢、濱井敏、高嶋樹、日垣秀彦、橋爪誠、岩本幸英.
   Image Based Box Trainingを用いた関節鏡手術トレーニングシステム. 第33回日本関節鏡学会, 2007.06.

22. 田代泰隆、中西義孝、三浦裕正、高嶋樹、日垣秀彦、岡崎賢、濱井敏、橋爪誠、岩本幸英.
   Image Based Box Trainingを用いた関節鏡手術トレーニングシステム. 第19回バイオエンジニアリング講演会, 2007.01.

23. 岡崎賢、三浦裕正、松田秀一、岩本幸英. 小関節鏡を用いた外来膝関節鏡検査.
  第34回日本リウマチ・関節外科学会, 2006.11.

24. 岡崎賢、三浦裕正、松田秀一、岩本幸英.
  小関節鏡を用いた最小侵襲外来膝関節鏡検査.第32回日本関節鏡学会学術集会, 2006.06.

25. 岡崎賢、三浦裕正、松田秀一、水内秀城、中島秀彰、小西晃造、安永武史、橋爪誠、岩本幸英.
   Open MRIを用いた前十字靱帯不全膝の前外側回旋不安定性の評価. 第79回日本整形外科学会学術総会, 2006.05.








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